古畑名シーンAdvent Calendar2014 Vol.02 ―第2話『動く死体』より

2014年12月3日

開始2日目、早くも後悔している私ですこんにちは。
今日は第2話『動く死体』ゲスト犯人役は堺正章さんの回を取り上げます。

この話は1stシーズンの第2話ですが、実質的には最初の作品にあたります。(古畑シリーズは基本、時系列順と放送順が異なる)

今泉が古畑に自己紹介をするシーンがあることからそれが分かります。実際に三谷幸喜さんが最初に書いたのもこの話で、刑事モノをやってこなかった田村正和さんがオファーを受ける決め手となった台本です。
監督は当時メインDではなかった河野圭太氏。その後数々のフジのヒットドラマのほか、映画監督も経験する名演出家です。

それもあってか、最初にしてかなり「古畑らしい」作品に仕上がっています。すなわち、「トリックや謎解きそのものより、古畑と犯人の心理戦で魅せる」というスタイルです。

もともとは「和製刑事コロンボをつくる」という企画で始まった古畑任三郎という作品ですが、本家のスタイルを踏襲しつつも、三谷脚本と田村さんのキャラクターでまた一味違った名作になっていったわけです。

前置きが長くなりました。
古畑と犯人の心理戦、という意味ではこの作品は見所たっぷりです。どっちかというと犯人役の堺正章さんが一方的にひっかき回されるのですが…
そこが大好きな話なんですが、今回のポイントはそこではないので割愛します。

堺さん演じる歌舞伎役者の六代目中村右近は、ひき逃げの現場を劇場警備員の野崎に目撃されてしまいます。野崎は良心の呵責に耐えられなくなり、右近に口止め料を返し出頭を勧めるが、口論の挙句突き飛ばした野崎を死なせてしまう。(実は右近、2人も殺してるんですよね。最低です^^; )

右近は、野崎が舞台に住み着く野良ネコの退治のため、舞台の天井裏(照明のあるところ)に上がって転落した事故死に偽装します。
しかし、事故としては不自然な部分を古畑に見破られ、徹底マークされます。

右近は「すっぽん」、すなわち奈落から舞台へ役者がせり上がっていくための昇降機を使って野崎の死体を運びます。
参考:歌舞伎事典『スッポン』

実はこの「すっぽん」、上昇時は単純にボタン1つで押せば良いのですが、下降するときはレバーを上げて安全装置を解除してから、2個のボタンを押さないと下がらない仕組みになっていました。
それは舞台関係者全員が知っている、常識です。

ただ1人、そのすっぽんに乗っている人間、右近を除いては。

そのことが、事件当夜、すっぽんを動かしたのが彼であるという決め手になったのです。

■まとめ
業務で使用するツールは、自分が直接の担当者ではなくても、せめて最低限の使い方だけは覚えておくべきである。

##おまけ

この作品で個人的に印象的なやりとりはこちら。

古畑「世の中にはアテにしてはいけないものが3つ 年寄りの自慢話と通信販売の売り文句、犯行現場の壊れた時計」
右近「スポーツ新聞の見出しってのは?」
古畑「それ入れたら4つになりますね」