古畑名シーンAdvent Calendar2014、ようやく6日目ですこんにちは。
これまで5回、「渋い系」な回をセレクトしてきましたが、今回はかなりメジャーな回を取り上げます。
2ndシーズン4話目、第17話『赤か、青か』。ゲストはSMAPの木村拓哉さんです。
木村さん演じる大学助手・林功夫が、大学の隣にある遊園地の観覧車に時限爆弾を設置。
去り際に目撃された警備員を撲殺してしまいます。
さらに、時限爆弾が設置された観覧車のゴンドラに、こともあろうに今泉くんが乗ってしまい、彼が携帯電話で爆発物処理班から指示を受けて解体作業を行うという状況になります。
この話は、その後いろんなところで目にするようになった定番シチュエーション
「爆発物の解体、最後に残った赤と青の銅線、さぁどっちを切る!?」
っていう、今となってはあまりにもベタとなったシーンの走りとなったシーンがあります。
有名なところだと、「名探偵コナン」の劇場版第1作目のラストシーンに、同様のシーンがありましたね。
その後、なんか色んな所で似たような設定を見た気がします。コントのネタとして使われているところも見たことがあります。
さて、問題の赤と青の銅線ですが、林を追い詰めて犯行を明らかにするも、肝心の爆発を阻止するために切断すべき導線はどっちか、という情報は結局得られずじまい。
林「ブルーを切れ ブルーを…」
林の顔をじっと見つめる古畑。
しばしの間の後、振り返って言い放つ。
古畑「赤だっ」
爆発物処理班からの指示で、観覧車の前に赤いジャンパーを着た人間が飛び出し、赤い旗が振られる。
それを見て赤い銅線を切る今泉。
しばし訪れる静寂。
古畑「お疲れさまでした… あなたはメカのプロかも知れないが、私は人の心を読むプロです
あなたの考えていることなんてお見通しです」
林が去った後、よく相手の心を読みましたね、と感動する向島巡査に対し、古畑はこう話す。
古畑「人の心なんてそうか簡単に読めるもんじゃありません
人間、最後に頼れるのは運だけ」
冒頭で登場したおみくじクッキーの紙を取り出す。
「大吉 ラッキーカラー:赤」
古畑「当たるじゃない、これ」
本当に古畑の判断がおみくじ頼みだったのかは、視聴者には分かりません。
古畑なりのジョークだったのかもしれませんし、本当に手がかりがなかったのかもしれません。
ただし、残り数十秒という状況下で、最終的に理屈では説明できない部分の「何か」が働いたことは確かでしょう。
そして、最後まで諦めずに林を追い詰めたからこそ、下せた判断であるということは忘れてはなりません。
■まとめ
人事を尽くさなければ天命は来ない。
おまけ
結構、古畑任三郎をはじめとする三谷幸喜の作品には、古典をオマージュした設定というのが登場します。
非常に有名なところだと、イチロー選手が出演した『フェアな殺人者』の回で、犯人イチローが被害者に2つのカプセルを差し出し、「1つ選んで奥歯で噛め、自分は残った方を噛む」というシーンがあります。
あのシーンは放映直後から「トリックはあったのか?」などいろいろと憶測が飛び交ったようなのですが、まるっとシャーロック・ホームズの第1作目である『緋色の研究』そのまんまです。
あの通りなら「トリックは存在せず、正真正銘の賭けだった」というのが正解です。
そんな感じで、あれだけ有名になったんだから、赤と青を選ばせるシチュエーションにも何か元ネタがあるのかな?と思ったりしています。
もし知っている人がいたら教えてほしいです。