名古屋市在住のフリーランスが0歳児を認可保育所に入れるために準備したこと(主に就労証明書の書き方)

名古屋市在住のフリーランスが0歳児を認可保育所に入れるために準備したこと(主に就労証明書の書き方)

2020年9月10日

保活情報は地域差が大きい

「フリーランスの保活は不利」という話も聞きますが、情報収集と事前準備さえしっかりやればフリーランスかどうかは、私の場合はあまり関係ありませんでした。
ただ、保育園事情は地域差が大きく、検索して調べても自治体が違うと使えない情報も多いので、後に続く誰かのために、名古屋市に限定した体験談を書き残しておきます。

なおこの記事は、既に名古屋市の保育認定制度について、以下の公式ページなどで既にある程度調べている人を対象としています。

まだ調べてない人、ルールを制したものが勝負を制します。ルール知らずして勝利はありません。今すぐ公式の情報を隅々まで読みましょう。

我が家のステータス

  • 0歳児クラスに4月入園(第1子・入園時4ヶ月)
  • 2019年12月出産
  • 出産前の11月に申し込み完了
  • 夫婦ともフルタイム勤務
  • 夫:会社員(フルタイム / 単身赴任や夜勤による加点なし)
  • 妻(私):個人事業主として開業届提出済み
  • コワーキングスペースの固定テーブルを契約
  • 祖父母同居(満65歳以上)
  • 同居家族に障害者手帳保有者・要介護認定者あり

→ 結果: 第1希望施設に入所決定

正直、私の場合は両親同居でも満65歳以上のため減点なし、さらに
「同居の家族内に(中略)要介護1以上の認定者がいて日常的に介護している場合」による加点 2 が大きかった可能性があり、他の方よりも有利だったであろうことは念のため補足しておきます。

区役所の民生子ども課に情報収集に行こう

子どもを保育園に入れるぞ、と決めたら、自分のお住まいの区役所の「民生子ども課」に一度相談に行くことをおすすめします。
0歳児入園を考えるなら、出産前に行っておくと安心です。

4月入所の申込受付はたいてい毎年 10/15〜12/10 だと思いますので、相談に行くなら10/15 より前をおすすめします。締切間近の12月とかはやめましょう。先方も忙しいですし、混んでます。

※出産後、夫が児童手当の手続きに行ったのがちょうど申込最終日の12/10で、激混みだったそうです…。職員さんに記入方法を聞きながら、その場で申込書を書いている人とかもいて、カオスだったとのこと。

うちは、夫が夏休みだった9月中旬に行きました。
民生子ども課の窓口で「保育所利用の相談をしたい」と告げると、担当者さんが色々教えてくれます。
地図を見ながら通えそうな施設のリストアップと、その施設に今年何名の募集があったか、入園できた人のうち一番利用調整ランクが低かった人は何点だったか、を教えてくれます。(※これ重要。ただし該当の募集が1名だけだった場合は、個人が特定できるという理由で非開示になります)

9月の時点では、私としては4月ではなく生後半年すぎてからの入所を考えていたのですが、ここで話を聞いて
「4月入所じゃないとかなり厳しい」「年度途中で枠が空くことはめったにない」
という現実を知ります。それだけで大収穫。
夫とも、4月入所でいこうと意見が一致。

役所の窓口の人は、敵ではなくて味方です。頼りましょう。

なお自治体によっては窓口に通ってゴリ押しすれば入れてくれるとか、保育園の園長先生と仲良くなると入りやすいとかあるらしい(本当かどうかは不明)ですが、名古屋市の場合は利用調整基準のランクがすべてなので、そういうのは通用しません。

※ただし、このあたりの動けるタイミングは誕生月によって大きく左右されます。
入園できるのが一番早くて 産休あけ = 生後57日 ですので、4/1時点でこの日数に満たない早生まれ(2/4以降、うるう年は2/5以降)の子は0歳児クラスの4月入園の申込み自体ができません。また4/1時点で生後6ヶ月未満だと、申し込みできる園の選択肢もけっこう減ります。こればかりは仕方ないです。

Q12:4月1日からの利用の場合、申込み時点でまだ生まれていない子どもの申込みはできますか。

A12:利用開始希望日時点でお子さんが受入月齢を超えていれば、申込み時点では出生前の場合でも、申込みは可能です(出産後のお名前、誕生日等について改めてお知らせください。)。また、受入れ月齢については、施設ごとに決まっております。

名古屋市:保育所等の利用に関するよくある質問(FAQ)について(暮らしの情報)
http://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/8-14-4-1-6-0-0-0-0-0.html#Q12

就労証明書をどう書いたか

フリーランス・自営業者が最も迷うのは、「就労証明書の書き方」だと思います。

名古屋市の場合、フリーランス・自営業者は、就労証明(申告)書を自分で記載し、自分の印鑑を押します。

他地域の体験談などを読むと「事業を行っている証拠として開業届のコピーを持っていった」とか、「フルタイムで働いていることを示すために、自分の仕事のタイムテーブルを作成した」「取引先に一筆書いてもらった」などといったことをされた方もあるようですが、名古屋市に関してはそういったものは一切不要。用意しても受け取ってもらえないはずです。決められたフォーマットの書類一発なので、それさえちゃんとしておきましょう。

※経験者である友人のAさん、Mさんからの情報提供に感謝。

私が書いた就労証明書の内容ざっくり
私が書いた就労証明書の内容ざっくり。

※2020.10.02追記 どうやら昨年までと就労証明書の書式が変わったようです。書かないといけない内容はほぼほぼ同じですが、もし窓口の対応が変わっていたらごめんなさい。

居宅外労働 / 居宅内労働(※令和6年度から区別廃止!)

※2023.10.06追記 令和6年度4月入園申し込みから、名古屋市では居宅外労働 / 居宅内労働のランク区別がなくなりました!時代が追いつきました!!

令和6年4月利用開始希望における保育所等利用申込みから、以下の点が変更となります。

  • 就労場所によるランク差の解消
  • 就学ランクの見直し
  • 調整指数の新設と一部廃止
名古屋市:保育所等の利用申込み手続きについて(暮らしの情報)https://www.city.nagoya.jp/kodomoseishonen/page/0000133178.html

フリーランスのネックはここだと思います。「居宅外労働」のフルタイムはランクAですが、 「居宅内労働」だとランクB。
希望上位を叶えるならAを取りたいところですが、これはそれぞれの働き方によるので、申込み時点でどうこうしようと思っても難しいところです。
ただ、就労証明書には「勤務先所在地」と「実勤務地」の欄がそれぞれあるので、開業届の住所を書かなくてはいけないわけではありません。私の場合は、「勤務先所在地」に自宅を、「実勤務地」に利用しているコワーキングスペースを記載しました。

デザイナーやエンジニアなどweb系フリーランスだと、日々場所を変えて働いている人も多いと思います。
住所貸しだけのバーチャルアドレスを書くのは良くないでしょうが、必ずしも毎日常駐している場所ではなくても、そこで仕事をしている事実があれば問題ないかと思われます。いちいちその場所に確認の連絡が入るわけではありません。(確認が入っても大丈夫であることは大前提です)

もし現状自宅しか作業場所がなく、まだ出産まで時間があるようなら、今のうちにどこかに拠点を作って居宅外労働の実績を作ってしまうというのもひとつの手です。正直、認可外保育所の利用料よりもコワーキングスペースの利用料のほうが格段に安いですし、必要経費として考えるのもありだと思います。

※ただ新型コロナの影響で、以前ほど声高におすすめしづらいのが正直なところではあります。テレワークが推奨される昨今「居宅外労働 / 居宅内労働」の区分けはもう無くせばいいのにと思っています。

 ↓
区別なくなりました!!大勝利!!!

給与形態・収入額

[月給・日給・時間給]    円
の記入があります。 給与じゃないのでここは空白にしました。 
社会保険の加入・雇用保険の加入・源泉徴収税の有無 欄は、すべて「なし」に○。
最近3ヶ月間の就労日数及び収入額 の欄は、7, 8, 9月の稼働日と売上額をそのまま記入。毎月の金額がかなりバラけますが気にせず。3ヶ月の平均も記入。

産前産後休暇育児休業の取得状況及び予定

一番迷ったのがこの欄です。
書類には「産前産後休暇育児休業(※)の取得状況及び予定」と書いてあって、※印の注記として

※育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)その他の育児休業に関する法律の規定による育児休業

と記載があります。
自営業者は、この法律の規定による育児休業はありません。友人からは、自営業者は「育休明け 加点3」が取れないから、「加点3」を取るために一旦認可外に入れたという話も聞いていました。
ですので、私は最初、産休期間(出産予定日から56日)のみ記載し、育休期間は空欄で持っていきました。

すると、窓口で担当してくださった職員の方が、あとからわざわざ電話をくださって、「産休あけから入園までの期間はどうされるんですか?」と聞かれました。自営業者なので書かなかったが多分休むという旨を伝え、後日、育休期間の日付を「〜3/31」に訂正し、再提出しました。

ここでも、役所の窓口の人は、敵ではなくて味方でした。
書類の不備を確認するとかいう事務的な感じではなく、とても心配した感じで確認してくれて、育児に困る人をできるだけなくそうとしていることが伝わりました。
ただ、自営業者の育休についての扱いは職員の人も把握していなかった様子で、明文化されたルールはどうもないような雰囲気でした。

結果、「育休明け 加点3」が付いたのか付かなかったかは不明です。
でも窓口の対応を見るに、加点の有無はさておき、書面には「実際に休業する期間」を書くのがよいようでした。

※ただし友人いわく自営業者は空欄にするようにと言われたそうで、やはり区や担当者によって対応が異なるようです。何か言われたら訂正すれば良いので、とりあえずは記入しておけばよいと思います。

なお、規定では4月中に復職すればよいので、育休期間は4月中〜下旬くらいにしておくことをおすすめします。
多くの園では4/1からすぐ預かってくれるわけではなく、4月の1週目あたりに入園式があって、その後慣らし保育があります。私の場合、実際に仕事を始めたのは4月3週目頃からでした。

※そして、新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言も重なり、結局最初は自宅に乳児を抱えながらの復職となったのですが💦

なお、就労証明書は夫婦それぞれ必要です。
うちは夫が会社員なので会社に作成してもらう必要があるのですが、本社が東京のため郵送でのやり取りが必要でした。(会社印の押印が必要なためメールやFAX不可)
さらに、育休の日付を2020年とすべきところが2019年になっていたので、送り返して訂正印を押してもらうというやり取りが追加発生し、なんだかんだで数日かかりました。
そういうのも見越して、早め早めに動きましょう。

まとめ: 役所は頼ろう&保育園は親も楽しい

先手先手で動いたおかげで、私の保活は大満足の結果になりました。
もちろんお住まいの地域や希望の園によって競争率は全然違うと思いますし、私の状況が有利だったこともあるので一概には言えませんが、「早すぎるかな?」くらい余裕を持って準備をすることで、心の安定も得られるので、おすすめです。

繰り返しになりますが、役所の窓口の人は、敵ではなくて味方です。そして、市はけっこういろいろな子育て支援事業を用意しています。PR不足が否めませんが、こちらが頼れば助けてもらえます。税金を払っているのですから、存分に頼りましょう。

そして、最初は「早く入れ過ぎかな?」と思った保育園ですが、全くそんなことはなく、親も子も生活リズムが整って健康的に過ごせるようになりました。
12月生まれのうちの子は園の中で一番小さく、月齢的にクラスメイトとまだかなり差があるのですが(9人中7人が4〜7月生まれでもう1歳、10月生まれが1人)、その分ちやほやされているようで微笑ましいです。

毎日お迎えに行くときにどんなふうに過ごしているのかを見るのが楽しみで楽しみで。。。 どうやら既に家の顔と外の顔を使い分けていることがあるようで、保育士の先生の話を聞いて、日々の成長に驚かされます。

この記事が、一人でも多くのフリーランス仲間にとってささやかでも育児と仕事を楽しく両立できる手助けになれば幸いです。

今年は保護者参加の行事のほぼ全てが中止になっていますが、来年以降は行事が再開されて、参加できるといいなあ…