自作WordPressテーマのライセンスについて調べてみた(WordPressとGPL)

2010年10月16日

昨日、自作テーマ公開のエントリー『PHPの分からない初心者向けの自作WordPressテーマ”mypace custom”を配布』を公開しましたが、その後記事を読んでいただいた某師匠様より、

基本的にオープンソース系のライセンスは再配布に制限があるとまずいのでGPLじゃなくて、クリエイティブ・コモンズ系のライセンスにそーっと変えておくのがいいかも

というアドバイスを頂いたので、一応調べたつもりだったんだけどもう一度ちゃんと調べてみました!

まず「GPL」と「クリエイティブ・コモンズ」の違いについて。

厳密な説明は、公式サイトや諸先輩方のブログ等に詳細に書かれていますのでそちらをあたっていただくとして、自分がどう理解したか、という点だけ書いておきます。

GPLの特徴として、

  • 著作権表示を残すこと
  • 無保証であること
  • 誰でも自由に複製・改変・頒布することが許可されていること
  • GPLなものを改造して作ったものも、GPLライセンスにすること

となっています。

私の公開したテーマにGPLを適用した場合、
私が無償で配布したテーマを例えばAさんが改造して、利益を得たとします。
このこと自体は問題ありません。

しかし、今度はAさんの改造テーマをさらに改造して、Bさんが無償テーマを配布したとします。
この時、AさんはBさんに対し、

「私が有償で販売したテーマを勝手に無償で配らないで!!」
と文句を言うことができません。

では「クリエイティブ・コモンズ」は

クリエイティブ・コモンズ(以下、CC)の特徴は、いくつかの種類があるということです。例えば以下のようなものの中から自分に合った条件を組み合わせることが出来ます。だから全部で6種類ですね。

  • 複製・改変・頒布OKか、改変不可か
  • 営利・非営利問わず利用OKか、営利利用NGか
  • 改造して作ったものも、同じライセンスにする義務をつけるかどうか

(以上の項目の頭には、「著作権表記さえ残せば」という一文が付きます。)

「GPL」と「クリエイティブ・コモンズ」の違いについて。

厳密に言うと、

  • GPL→ソフトウェア、プログラムのソースコードや、その派生物
  • CC→著作物全般

CCの方が広く一般的に使えて、かつ条件をゆるくも厳しくも出来る、ということですね。

で、私の場合に戻るのですが、某師匠様のアドバイスは、
「コピーレフト(改造して作ったものも、同じライセンスにする義務をつける)にしないほうがいいんじゃないか」
ということで、CCのいちばんゆるいやつ(表示)にしたらいいんじゃないか、ということだと受け止めました。

じゃあ当のWordPress側はどう言っているのか

そこで、もう一度WordPressの公式サイトをあたってみました。
そこには、こう書かれています。

WordPress | 日本語 ≫ テーマも GPL ライセンス

テーマファイルはGPLライセンスにしてくれと書いてあります。
しかし、読み進めていくとこう書いてあります。

結論として、提示された WordPress テーマは WordPress の著作権の元にあるコードの派生物を含んでいます。それぞれ独自の作品である画像、CSS、PHP ファイルをまとめたこれらのテーマは、全体的を GPL ライセンスにする必要はありません。むしろ、PHP ファイルは GPL ライセンスの要件に制約されるが、画像や CSS はそうではないと言えます。サードパーティのテーマ開発者は、希望するなら制限付きの著作権を適用することができます。

うーん、じゃあPHPファイルをGPLにして、画像とCSSはCCにすればいいかなぁ、とかややこしいことも考えたのですが、こうも書いてありました。

画像や CSS が GPL であることは法的には必須ではありませんが、これらがなければかなりテーマに制限ができてしまいます。 CSS や JavaScript のまったくない WordPress を想像できますか?この理由により、WordPress.org では今まで通り 100% GPL ライセンスであるか、GPL に互換性のあるライセンスのものだけをホスティングします。

うーん、これはやっぱり素直にGPLってしておいた方が良さそうだな、と思い、そのままGPLでいくことにしました。

ただし、最初に書いた約束事の中に、

「全く手を加えずに再配布したりクライアントに納品したり…ってのはできれば止めてください。」

っていう一文があったのでこれは消しました。GPLでは複製・頒布の権利がありますんで。
その代わり、

「著作権表記をしていただく必要はございません。」

という一文も消しました。全く手を加えないまま「自分のです」って言って再配布されたらやっぱあまり気持ちの良いものではないので。

とはいえ、クライアントに納品する場合になかなか他人の名前の入ったものを使いづらいって気持ちもわかります。
なので、上記のライセンスに関する決まりを理解して頂いたうえで、ちゃんと自分で手を加えたものに対して私の名前をそっと消していただく分には、構わないかと思います。

では、ライセンスをしっかり理解して、良いWordPressライフを

参考にした主なサイト

ITキヲスク » GPLやMITやCCなど主要ライセンスの内容と意味のまとめ